それは祈りのような

すきなこのことをすきかってに

酸いも甘いも教えてよ

夜公演のあと、陽が落ちて薄暗くなった屋上でお友達とすこし興奮しながら語り合う、そんな瞬間がすきだった。すきなひとの夢がこの都会の空よりもっともっと高く、広いことを知ったわたしはその夢の壮大さに畏れと頼もしさを感じながら、この夏一層広くなったその背中にいつまでも着いて行きたい、と密かに願っていた。きみの成長を見届けた目まぐるしくも密度の濃いこの夏はまさしくわたしにとって2度目の青春だった。

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クリエが終わってから約2ヶ月間、こんなに「夏」に焦がれたのは記憶の限りうまれて初めてだったと思う。今まではすきじゃなかったうだるような暑さも、太陽の日差しも、汗も、なにもかもが恋しくて気持ちを逸らせていた。夏に向けてさらに白く透けて発光する大昇くん、「大昇の透明感がやばい」の文字を色んなところで見聞きして、くすぐったいような、誇らしいような気持ちで毎日を過ごしていた。"心機一転、令和らしい?夏にしよう!!" 東京に来て初めての夏、大昇くんと過ごす初めての夏、期待だらけで弾けてしまいそうだった。

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待ちに待ちに待った大昇くんは、やっぱり世界で一番かっこよくって、かわいくって、何より自信で満ち溢れているようでその纏ったオーラの力強さに圧倒されるしかなかった。いつでも最高を更新してくる男、大昇くんに毎日初恋をしているんだけど今回も例外ではなく、目の前で歌い踊る大昇くんにあっという間に心を掻っ攫われる。

最初から最後までたくさんたくさん声を出して、ステージを盛り上げて引っ張って、まとめて整えて、時にはトリックスターになって、そんな大昇くんの役割の大きさにも驚いたし、広くなったキャパシティーにすごい、すごいなあって何回も思っていた。

We are 美少年!!!と大昇くんが叫ぶその瞬間、毎公演新鮮に心臓がぞわりと波打ち、そのつよさに泣きたくなってしまう。コズメロ間奏のC&R、初日は尺が足りなくて早口になっちゃってたけど、やっぱり大昇くんはぐんぐんと成長する人で、何をすればうまくいくのか考えられる人で、みるみるうちに余裕が出てきたね。激しく踊って歌ったあとの進行は息が切れててもやさしく、それでいて明朗に語りかけてくれる姿が印象的だった。


この男の子をこんなにも輝かせているものはきっと、自信だ。できる、できるを繰り返して、自分の力で積み上げてきた自信なのだ。ぎこちない笑顔で、左手を置き所なく動かし、衣装の裾をぎゅうっと握っていたあのときの大昇くんとは本当に別人みたい。アイドルとしての芯、自分のスタイルをたくさんのチャンスの中から見つけて磨き上げた日々だったんだね。

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大昇くんは予想をはるかに超えてくる天才なんだけど今回の選曲もそうくる!?の嵐で初日は記憶がぶっ飛んでしまった。1回見ただけでは咀嚼しきれなくて悶々としていて、何度か逢瀬を重ねるうちにやっと大昇くんのところにたどり着いた気がして今回もめちゃめちゃに楽しませてもらった。やっぱり大昇くんって最高のエンターテイナー!


"好きなんだよ、マジで!のセリフ、俺っぽくないよね"と言って笑ってた大昇くん、周りに大昇っぽいよ〜って言われて本気で照れてた大昇くん、グループでの役割は?と聞かれて"お笑い担当"と答えていた大昇くん。

敢えての"俺っぽくない"に挑戦した夏だったのかな。

実のところ大昇くんのナルシストエピも大好物で本心がどうであるというところには全く興味がないのだけど、ファンに抱かれているであろう、今まで築いてきたであろうイメージを良い意味で裏切る挑戦的なソロだったのかなと思っている。

無機質で機械的な表情やエフェクターのかかった歌声が、前半の愛燦燦とのギャップでとても映えていたし、忍者の子たちを巻き込んで軍隊のように操り、統括する姿はこの夏の大昇くんを暗に示しているようで。

めきめきと上達するダンスが今回もまたレベルアップしていて、より細かく柔らかく筋肉を使えるようになったなぁとしなやかさにほれぼれして。

やっぱり大昇くんの目がすきだ。静かに燃える揺らぎない目。歌詞も大人っぽくて新鮮だったし、これは2番の歌詞なんだけどとても大昇くんっぽいなと思った一節。

"無理だと 言われると やりたくなる my baby,alright?"

あ〜大昇くんってこういう男の子だよなぁ、なんて妙にしっくりきて。何度も見るうちにこちらが大昇くんのこと、"知りたいよ deep inside"になってたので大昇くんっていい意味でこわいですよね……

あとこれは余談でかなりマニアックなんですが、"凶器は美しき"って歌詞がすごくぞくっとするほどすきで、そこの歌詞のリズムの取り方が癖になる感じですきだったんですよね〜!CANDYの"らぶ!ひだかー!"のカウントの取り方と似てて、2.4個目の音にアクセントが来る感じ!説明難しいね…



このブログを書いていたあとに、大昇くんが"堂々とするっていうのをテーマにやってます。かっこよく、堂々と、潔く。" と話してくれたレポが目に入った。

この言葉を聞きたくて、ずっと待ってたなぁって、そう、そうだよね、この夏の大昇くん本当に堂々としててかっこよくて百獣の王みたいだったんだよ、ほんとうに。自信を漲らせて輝く男の子ってこんなにかっこいいんだって初めて知った夏だったんだよ。

堂々と、ってなんていいテーマだったんだろう。何度も何度も心の中で繰り返す。そしてそんなテーマを掲げて、不言実行した大昇くんを思い出しては何度も涙ぐんでしまう。


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今回ソロとして披露された"愛燦燦" 。

初日、大昇くんの愛燦燦を聞いてもう、どうしようもない気持ちになってしまって、このときの感情は今でもうまく言葉にすることはできない。

いままでの人生の中での忘れてしまいたいようなこととか、誰にも話してないこととか、思い出すたびに心が抉られるようなこととか、まだまだ燻ってることとか、許しているようで許していないこととか、

そんなのが自分の中にいっぱい、いっぱいあって、

昔だけじゃなくて昨日とか一昨日とかそんな身近でもあ〜〜〜〜ってなることがたくさんあって積み重なっていて
正直人に話すのも得意じゃないからなかったことにして蓋をして抑え込んで見ないようにするしかできないことがまあ多くて、それでもふとした拍子に溜め込んだあれこれが溢れて堰きとめられなくなるときもあって

"まあいいや"の魔法が効かないタイプの生きるのが下手ままおとなになってしまった感があって


でも大昇くんに出会って、16歳の大昇くんに"人生って うれしいものですね"ってあんな柔らかい表情で、あんな優しい声で諭すように歌われてしまったら、すこしだけ赦してもいいかな、と思えて、固くなってしまった結び目がほどけるようで、心ごと包まれるようで、また心底救われてしまった。あぁ、そっか、こうやって会いにくればだいすきな人がだいすきな姿でそこに"居て"くれるのだと、ふわりと微笑んだ大昇くんに救われながら生きていくのだと納得した。

どうしてあんな慈愛に満ちた"うれしい"が歌えるんだろう。幸せの面だけではなくて、その影にあるものまでも包み込んでくれるようなうれしいをどうして知っているのだろう。まるでありのままを認めてくれるような、母性のような"うれしい"。

燦々と降り注いでくれた愛、はわたしにとっては大昇くんで、大昇くんのおかげで色んな過去達は睫毛に憩いてくれるようになったし、未来は少しだけやさしく見えるようになった。


この曲は技術的にも表現的にもすごくむずかしい、ただ歌うだけでは歌になってくれないような不思議な力が宿っている曲だと思っていて。川の流れのようにのときも思っていたけど16歳の子に人生を歌わせるのってどうなのかなと余計な心配をしていたときもあったのだけど、やっぱり大昇くんは"やり遂げる人"で、いっぱい考えて彼なりの解釈を加えて、かつ人の色に染まらず、自分の歌で勝負できていたのが本当に格好良く、誇りだった。

公演を重ねるごとに変わっていく表現がまた毎回新鮮に見え、その底なしの可能性にまた心が期待で震えた。

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大昇くんのこと応援してて辛いとか苦しいとかそういう感情になったことが一切なくて、義務で公演に入ったこともないし、公演に入って後悔したこともないの、わたしのおたくのスタンスもあるのだろうけど、それでもこれって奇跡みたいに凄いことだ。

それはやっぱり大昇くんが、裏で何があろうとも体調がどうであろうともパフォーマンスにムラがなく、一貫したスタンスでそこに居てくれるからなのだと思う。

最初に大昇くんを見つけたときに、なんとなく安心するアイドルだなぁと感じたその印象はいまでも全く変わらない。

悠々と袖にはけていくあの後ろ姿がすきだ。タップに履き替えるときトントンとつまさきを鳴らすところ、ちょっかいをかけるときのいたずらっこな顔、小さい子を見つめる優しい目、溶けるような語尾。

脚を大きく開いて立つところ、切ない曲の儚い指先、目線のひとつひとつ。出会った時から変わらない歌声。もちろんレベルアップしてるけれど、根底は変わらない。だいすきなだいすきな歌声。

ハードな技のときに尖る口、だいすきなロックで100%かっこつけた顔、本気で笑顔になったときに窪む目尻。

まるで触れたら壊れてしまいそうなおとこのこだった新曲の大昇くん。切ない表情も妖艶な手つきも曲の世界観に合っていて素敵だった。「何か」を本当はわかっていて、でも知らないふりして無理やり笑う大昇くんを想像して胸が締め付けられる。"もう一度 生まれ変わっても君と"の大昇くんがすこぶるすきなんだけど、最初は悲哀で歪んだような表情をしていたのが、中盤くらいから天に腕を伸ばして空を見つめてそこから目線を落としていく仕草に変わっていてどっちも尊くて大切だと思ったし、こういう変化を見守れる夏でよかったなと思った。


きっと、もともと信念を、自分の中に一本芯を持った男の子ってことは感じてたし、ぐっとその芯の強さが増した夏だったな、というのは何度も言っているけれど、カメラの前でこんなに柔らかく笑えるようになったのも物凄い成長だと思っている。

ガチガチに緊張していた1年ちょっと前のMステ。こんなに自然に、自分の良さをテレビで出せるようになったんだね。可愛い笑顔も、伸びやかな歌声も、たのしそうに踊るとこも。まだまだ大昇くんがテレビに出るときは緊張するけど、でもこの子なら絶対大丈夫だって思えるようになった。

変わらないだいすきや、新しいだいすき。大事にアルバムに綴るように、いつでも思い出せるように。

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この夏、大昇くんは本当に色々なことを任されるようになって、色々なことができるようになって、16歳の快進撃は止まるところを知らない。でも大昇くんの夢はこんなものではない。大昇くんの夢は令和のスターになることで、国民的なアイドルになることで、自分で作った曲が日本のヒット曲になることだ。何ができるかはわからないし、何ができるということもないのだろう、ただただ祈り励ますだけなのである。

そしてなにより大昇くんの側には、懐が深く見守る強さのあるなぁくんがいて、まじめにアイドルの仕事について語り合えるなすくんがいて、底抜けに明るくアイディアと才能に溢れた浮所くんがいて、素直で朗らかでとびきり目に星を宿した龍我ちゃんがいて、コツコツとめざましく成長を見せる一世ちゃんがいるのだ。この公演中、心の空を聴きながら何度目の前がぼやけたことだろう。6人が6人でいてくれて、うれしい。


終盤に入った公演で、黄色のペンライトがたくさん輝いていてすごく嬉しかったし、もっともっときみの魅力に気付いてくれる人が増えるといいなと思っていた。買いかぶりすぎだなんて少しも思わない、本当に心から自慢で誇りの担当。顔だけでも、お気に入りだから、でもない、彼のアイドルという仕事に対する姿勢がここまで彼を昇りつめさせたと思っている。眩しくて愛しくて、でもまだまだ未完成で目を離すことのできないわたしの光。どうかいつまでも大昇くんらしく輝いて、大昇くんが思う方へ向かえますように。この夏の経験がすべてこれからの大昇くんの糧になりますように。一度しかない16歳の夏をアイドルに捧げてくれてありがとう。




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きっとこの先、何年経っても"たたんたたんたんび〜しょうねん!"を彼らに届けるたびに、この令和最初の夏を思い出すのだろう。ばばんばばんばんばんっ♩ってふざけて笑った、16歳の夏のことを。